Pixarの長編映画「ソウルフル・ワールド」の感想です
この作品は、一言でいうと『自分の個性がなにか考えさせてくれる』作品です
- 繰り返しの毎日に「このままでいいか」と不安に思う
- 人生の後悔について考えさせられる
- 自分の個性って?生きがいって何?
そんな問いを与えてくれる作品です
まだ見ていない方はディズニープラスから視聴できます!
Pixar ソウルフル・ワールド 作品情報
(出典:Pixarアニメーションスタジオ公式ホームページ)
あらすじ
主人公のジョー・ガードナーは中学校で働く非常勤講師。音楽を教えており、ブラスバンドの部員の指導もしています
しかしジョーの本当の夢は「ジャズ・ピアニスト」になること、これを何よりも望んでピアノに向かう毎日…
ある日、ニューヨークで1番有名なジャズ・ミュージシャンと演奏ができるチャンスが巡ってきます
ジョーにとっては夢を掴む大チャンス!ウキウキのジョーですがトラブルに巻き込まれて…
精神が肉体から離れて、ソウル(魂)の世界にやって来ちゃった!?
夢が叶う直前でトラブルに巻き込まれる…そういう展開の映画って多いけど、この映画にしかない魅力が山ほどあります
- 作品名:ソウルフル・ワールド
- 上映時間:101分
- 公開年:2020年
- ジャンル:ファミリー向け・コメディ
ジャンルはファミリー向けとなっていますが、これ子供は見て面白いのかな?(笑)
社会に出た後の大人ほど刺さる映画です!絶対に!
年齢を重ねれば重ねるほど、今年の1年早かったわ~って感じませんか?
そういう感覚がある人ほど、映画のラストに号泣していると思います
映画をまだ見てない人向け!!!この映画の魅力って何?
「自分は何のために生まれて、何を生きがいにしているのか」
「本当はやりたいとこがあるけど、夢だけでは食べていけないから諦めた経験がある」
「夢が実現したけど、思ってた景色と違った」
こんな期待と絶望を繰り返すうちに「大人」になるのかなと私は思う
会社と家を往復する毎日で、このままでいいのかな…なんて漠然とした不安がよぎる
楽しいって心から感じたこと最近あったっけ?
そんな日常に溶け込んだ絶望から救われる気持ちになる作品です
幸せになる種って実は身近なところにあるんだね
【感想】Pixar ソウルフル・ワールド
(出典:ピクサー公式X(旧Twitter))
ここからはネタバレがあります!!!!ご注意ください!!!
感想は思ったことを書き連ねてるメモ書きです
全体の感想
登場人物の全く逆な性質が面白い!
「ジャズ・ピアニストになるために生まれてきた!」と情熱を燃やす主人公ジョー
「生きるのがめんどくさい、生きることに興味がない」と無気力な相棒の22番
普通なら、若者が夢に情熱を燃やして、年齢を重ねるにつれて現状を受け入れる(諦める)ようになるのが自然な気がするけど、この映画の面白いところは「まだ生まれたこともない22番」が無気力で、46歳になるジョーが情熱を持っている
真逆だけど、なんか惹かれる…そんな魅力的なキャラクターづくりはさすがピクサー!って思うよね
ゾーンに入ってる描写に震える
ピアノの感覚に集中して、周りが見れなくなる
音の響きだけに神経が研ぎ澄まされる
ゾーンに入ってる時のシーン、震えませんでした!?
私は初めて見た時にゾッとした。いい意味で。
黒と青色だけのシンプルなカラーの中に、人物を描くだけで『研ぎ澄まされた』を表現するアニメーターの技術すごすぎませんか!?
びっくりした…本当に
平凡な毎日が実は結構凄いことかもって気づかせてくれる
ジョーにとっては中学校に行って、音楽を教えることの繰り返しが日常
22番は万物の創造に行って、メンターに会うことの繰り返しが日常
その他にも、地下鉄に乗ってつまらなさそうに日々を過ごしている人々
毎日のようにスーツを仕立てているジョーの母
私たちもそう、みんな同じ
そんな繰り返しの毎日の中に、きらめきが混ざってる!って気づかせてくれる描写がたくさんあることに感動しちゃった
風を感じる。青空が綺麗。町の中には素敵な音楽が溢れている。大人になったら食べなくなったけど、子供のころ好きだった飴の味。木の葉が舞い降りる季節の移り変わり。
忙しい毎日に溶け込んだ些細なことが、ふと足を止めるとこんなにも幸せだったと気付く…
ピート・ドクター(監督)天才か!?こんなありふれた日常をこんなにもときめかせる描写に昇華させるなんて神じゃん!!
主人公ジョーへの感想
(出典:ピクサー公式サイト)
『先生、今までどこにいたの』
憧れのジャズ・ミュージシャンであるドロシア・ウィリアムズにピアノの腕を認めてもらえた嬉しさと、今まで運がなくチャンスに恵まれなかったことへの絶望が一気に押し寄せるシーン
ジャズバーでの打ち合わせ後に、『今までどこにいたの』って言われたのグサっときた
才能だけじゃなくて、ステージに上がるための運も必要だよね
ジョーは才能があったけどタイミングに恵まれなかった
すごくリアルなこのセリフ、自分のことのように指先が震えた
自分の見えてなかった世界
「22番が入った自分」を客観的にみるジョー
自分では気づかなかった、できなかったことをたやすく解決する 22番にジョーは何を感じ取ったのかな
トロンボーンを辞めるか相談しに来た教え子
床屋やお客さんを巻き込んでみんなを引き込むようなおしゃべり
母親とこじれた関係を立ち直せる
ジョーは自分のピアノとジャズの熱量が高すぎるあまり、周りが目に入ってなかったんだね
だから、周りのことを決めつけてたのかもしれない
でも相手の話を受け入れる気持ちのゆとりがあれば自分を取り巻く人間関係はぐんと良くなる
私も視野が狭くなりがちだからいい教訓になった
若者の魚とシニアの魚の話
「ぼくが欲しいのは水ではなく、海なんです」
自分が探したいものは意外と身近にある。気づかないだけで。
これって有名なたとえ話なんですかね?
念願の夢が成就した素晴らしい日!!!なのに、なんか物足りない…
そんなジョーの心のスキマにピンポイントで刺さるたとえ話
これって、ドロシアも同じ経験をしたからこそジョーにかけられた言葉なのかな
だとしたら、すごく深いよね
レジェンドも同じ苦悩を抱えて、それを乗り越えてステージに立ってるんだもん
これについては、また今度深堀したいな
にくたらしいけど可愛い22番への感想
(出典:ピクサー公式サイト)
地球ってホントはどんな場所?
そよ風が体にあたる感触。アツアツでチーズがとろけるピザ。まぶしいくらいの青空。初めてのお風呂。肌触りの良いスーツ。
第一印象はひねくれたガキンチョに見えていた22番が、実はすごく好奇心旺盛で素直で感受性豊かだと気づく
無限の可能性を秘めた素晴らしいキャラクターだって思った!
万物の創造で見たことがある、誰かから聞いて知ったかぶってる
そんなことよりも、自分で体験してみることに価値がある
ピザを食べるのも、お風呂に入るのも、髪を切るのも、上質なスーツで着飾るのも、自分でやるから本当の価値がわかる
百聞は一見に如かず!
とりあえず、食わず嫌いな「イチジク」食べてみようかな…?
あなたは自分に自信がありますか?
22番に足りなかったきらめきは『自信を持つこと』だったのかも
壮大な夢や、素晴らしい才能がなくても
生きること、自分らしく過ごすことがかけがえないことだと“自信を持つ”この準備が足りなかったから通行証が埋まらなかったのかも
何十人というメンターから否定され続けたことで自分の可能性を諦めちゃってたんだね
でも、映画を改めて見て思ったのは
22番トークの才能めちゃくちゃあるよね🤣
だって偉人を論破できるんだよ!だったらそれは才能じゃん
逆にジョーは、音楽しかない!ジャズしかない!って思ってるけど
中学の先生もしてるし、トロンボーンのコニーの面倒も見てるし、22番のようなガキンチョを四苦八苦しながら相手にしてるし
なんだかんだ言って「教師」に向いてるよね
偉いとか立派な先生じゃなくて、寄り添ってくれるタイプの先生
自分では気づかない魅力って結構あるのかも!
だから自分の夢に挫折しても落ち込む必要はないんだなって救われた気持ちになった
まとめ
ポイント1
「繰り返しの毎日だ!」と決めつけてることが視野が狭くなる原因かもしれない
何も変わらない毎日っていう思い込みを捨てたら、世界が変わるかも!
それに気づかせてくれる良い映画
人生を見る視点がちょっと変わる
ポイント2
それと死ぬ前の後悔についても考えるきっかけをくれる
「険悪だったお母さんともっと話しておけば…」「自分が喋ってばかりで、相手の話に耳を傾けたことなかったな」
とかジョーは自分を客観的に見れる素晴らしい体験をして羨ましく思った
客観的になることで新しいきらめきが見つかるかもしれない
ポイント3
幸せは身近な場所にあって、生きがいとか難しいことを考えなくても、日々を生きることが素晴らしいと教えてくれる人生の教科書!!!
そういえば、この前SNSで素敵な言葉に出会ったの(出典が分からないので知っている人教えてください!)
ただ1日が過ぎる、これって本当にすごいこと
自分の周りには大切な家族や友人が大勢いる
その大勢の大切な人に不幸なことがなくて初めて「何もない1日」になる
コメント